大人はみんな敵
私は初めてのテストでわざと間違えた。
子供の頃、わざと間違える癖があった。
田舎で育った私は、大人になった今でも、田舎独特の田舎民にしかない感性が抜けない
母校の小学校は、広大な敷地の中にポツンと建っていた
広い校庭、グラウンド、畑、公園、1km続く土手と田んぼ、全てが敷地で、
休み時間に遊びに行くと、遠すぎるあまり、時間内に教室に戻れなかったりもした。
入学式当日、入学おめでとうテストがあった。
内容はとても簡単なもので、すぐに解き終わってしまった。
教室はずっと静かで、変な時間だなと思った。
テストがなんだかよくわかってないけど、大人に何かを測られているという感覚はあった。
テストの答えを全部解き終わったとき、なぜかすごく恐怖を感じた。
私はすぐに自分の解答を消して間違った答えを選んだ。
自分ができることを知られるのが怖かった。
複数人の大人が常に私を監視しているという感覚があった。
すごいねーって褒めてくる大人の目は、いつも笑っていなくて嘘くさくて嫌いだった。
私の親は決まって、「いやいや、すごくないですよ」って答えるから、別にすごくないんだなーと思ってた。
なんで思ってもいないのに、すごいねーって言うんだろう。
大人はみんな嘘つきで、みんな怖い。