死に向かう村
どんどん死んでゆく私の村。
静かになった村。
子どもたちはどこに消えたのか。
人々はどこに行ったのか。
お昼になると一斉にグランドに飛び出して走って虫を捕まえた。
花かんむりを作ったりして。
春は運動会、夏はプール開き、秋はなべっこマラソン大会。
冬はスキーに雪合戦。
そんな賑やかで、どこにでもありそうな平和な村だった。
過疎化が進むこの村は
いずれ住む人がいなくなる。空き家になって村は壊れて死んでいく。
私の故郷はなくなる。
戻りたくても戻れない。
私の居場所はなくなる。
こうなることはわかってたのに。
ずっと前からわかってたのに。
どうして誰も止められなかったのか。
自分の使命だと思わなかったのか。
私もそんな1人だった。